長い間量産製品の設計エンジニアをやっていると世界中あちこちに飛ばされます。
初めて飛ばされたのはドイツ。その後は米国、台湾、中国、香港、スイス、英国…。
生産拠点は中国なので中国、香港、台湾がメインです。
iPhoneは初代から使っています。
初代は米国に出張する同僚に買ってきてもらい、Jailbreakして使っていたんですが、日本では使えず、もっぱら中国・台湾に出張した時に使っていました。年間半分は中国か台湾にいたのでたいへん重宝しました。
当時はまだまだ音声通話が重要でしたが、昨今VoIPやらSIPやらデータ通信ベースの通話も可能となり、今やデータ通信が最重要。データ通信さえつながれば誰とでも繋がる環境が構築可能です。
例えば僕の場合、日本ではIIJのIIJmioというサービスを使用していますが、発信はGoogleの「Hangout」を使っています。おそらくこれがVoIP系音声通話は最安値で日本の携帯と通話するケースでは
0.09USD/min(2015.2.15時点のレートで約11円/分)です。ちなみにDocomoやIIJなどのMVNOの場合、携帯への通話は20円/30秒=40円/分です。Hangoutの難点は受信先での通知が「通知不可」になってしまうことですけど、慣れてもらえばそれまで(^^;
受信は国内にいる場合はIIJmioの音声通話、海外にいるときはfusion IP-phone SMARTを利用しています。Fusionはデータ通信さえ繋がっていればどこでも使えるサービスで、月額基本料金無料で使った分だけ支払えばよい(UKあたりでは”Pay as you go”と言います)実にありがたいサービスです。
ちなみに海外でこのサービスを利用して受信するにはちょっとしたTipsがあります。IP-Phone SMARTは050の電話番号がもらえるのですが、それをいちいち関係者に連絡するのも面倒なのでIIJmioの転送設定を使っています。転送サービスそのものはDocomoのもので、設定の方法は全くDocomoと同じです。この転送サービス、通常は待ち時間設定ができるのですが、SIMがアクティブではない場合、つまりSIMを抜いている場合は設定された転送先にすぐ転送されます。ですので国内(IIJ)のSIMを抜いて海外のSIMを入れている場合、待ち時間なしで転送されます。しかもIP-phone SMART側で設定をしておけば取り逃した受信はメールで通知してくれます。とりあえずデータ通信につながってさえいれば海外でも国内の携帯番号の受信を取り逃がさないという安心感があります。(現地通話の受信はLineかWhatAppかViberです)
さて、こういう環境が構築されると気になるのは海外での通信環境。なんとか手持ちのスマホが何処の国にいてもネット繋がっている環境が構築できないか、ということが課題になるわけです。
「で、結局どのSIM使ってるの?」ってなりますよね(^^;
前置きが長くて申し訳ない。
・中国・香港 ChinaUnicomの「如意中港通」
・それ以外の国
Roamline
です。
如意中港通はChinaUnicom香港のSIMで香港と中国の両方の携帯番号がもらえてデータ通信もできるすぐれものです。これを手に入れたのは確か2011年。香港と深センを行ったり来たりしていた時に香港の空港の7-11で買いました。深センで使うことがほとんどだけど香港空港でリチャージができるなどなかなか便利です。もちろん中国本土でもリチャージ出来ます。
あと、300元リチャージすると有効期限が1年半になり、僕の使用環境ではほとんど気にしなくて良いのがいいところです。
さらに!中国本土でもFbやTwitterが見れます。香港籍のSIMなので本土では海外ローミング扱いなのでこういうことが可能なんですね。
現在は「如意中港通」は販売されていませんが、アップグレード版の「
Cross Boarder King Dual-Number Prepaid SIM(跨境王)」や「
跨境王加強版」が発売されているそうです。
実は、次に香港に行くときは「跨境王加強版」を買おうかと思っています。この加強版、データローミングの範囲が拡大されていて、中国・香港だけではなく、台湾とマカオ、日本がカバーされているんです。しかも日本以外(中・港・台・澳)で使えるデータパックがあり、7日データパックは300MB/48HKD、30日データパックは500MB/68HKDです。あとで紹介するRoamlineやGigSkyなどに比べて激安。僕としては台湾でも使えるところがポイント。
ちなみに日本では0.02HKD/KBの重量制。ただし一日あたりの上限は68HKD。つまり3,400KB≒3.32MBが上限とちょっと残念な感じ。
Roamlineはドイツ発のWorldwide data roaming SIMです。ほぼ世界中何処に行っても繋がる(世界135ヶ国をカバー)ことと、料金体系がシンプルなのが気に入っています。
料金は大きく2つのエリアで分かれていて、ユーロ圏とカナダ・アメリカは0.2€/MB(≒0.23USD/MB)、その他は0.89/MB(≒1.01USD/MB)。(2015.2.21現在)
また、このSIMは月々の基本使用料はなく”Pay As You Go”なSIMです。ユーロ圏は空港でSIMが売っていたり街角でも簡単にSIMが手に入るのですが、それでも現地に行くまではなにかと不安なもので、これひとつ持っておけば多少お高いですが必ずOn Lineになれると思うと安心なんです。
最近は「
Worldwide data SIM」とか「
Global data SIM」とググるといっぱい出てくるけど、良いのがなかなかないんですよね。Roamlineがもう少し料金下げてくれれば言うことなしなんですが、それはないものねだいというもの。
そんな中で
GigSkyはちょっと惹かれる料金体系。
条件を揃えて比較してみました。
(為替は2015.2.21時点のレート)
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GigSky 175MB/7日間
アメリカ:3000JPY≒25.19USD
スイス:3000JPY≒25.19USD
中国:3000JPY≒25.19USD
台湾:3000JPY≒25.19USD
維持費:なし
::
Roamline 175MB(7日間プラン無し)
アメリカ:(175x0.23USD=)40.25USD
スイス:(175x0.23USD=)40.25USD
中国:(175x1.01USD=)176.75USD
台湾:(175x1.01USD=)176.75USD
維持費:なし
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ChinaUnicom 跨境王加強版 300MB/7日間
アメリカ:N/A
スイス:N/A
中国:48HKD≒6.19USD (3.61USD/175MB)
台湾:48HKD≒6.19USD (3.61USD/175MB)
維持費:月々18HKD≒2.32USD
こうしてみると跨境王加強版が圧倒的に安いけどアジア圏だけというのが残念です。
WorldwideなSIMとしてはGigSkyに軍配が上がります。実際の使い方を考えると今後アジア圏(中・港・台)は跨境王でカバーするので、Worldwide SIMに期待するのはユーロ圏や米国で現地SIMを手に入れるまでのつなぎ。実はGigSkyは国が変わるとデータプランは買い直しだけど、その国に入って最初の1日・10MBは無料という特典があって、非常に魅力的です。(でも無料特典しか使わない、なんてことやってると契約切られちゃうだろうなぁ(^^;)
しかしRoamlineはSIM入れてAPNを設定すればすぐ使えるのも魅力。(GigSkyはプランの購入作業が必要。アプリでポッチっとするだけらしいが…)
というわけで、
・Worldwide用にGigSkyはそのうち手に入れたい。
・アジア圏用に跨境王加強版を手に入れたい。
と思っています。
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[追記]
結局GigSkyを買ってみました。
顛末記はこちら↓
・Worldwide data SIM: GigSkyを買ってみた
・Worldwide data SIM: GigSkyを台北で使ってみた
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[おまけ:
READY SIM]
意外と入手困難なのが米国のSIM。ハワイに行った時はわざわざアラモアナショッピングセンターのAT&Tまで買いに行きましたよ。
しかし最近では
READY SIMなるものがあるんですねぇ。これ、トラベーラーがターゲットのようです。
Amazonでも買えるみたい。